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吉永護くんの騎手引退に思うこと

まずは調教助手、そして…

父親は言わずと知れた故吉永正人調教師…母を早くに亡くし、祖母の下で育ち、一見ボンボンのように思えるが、実はかなりの苦労人である。
(そりゃそうだろう…「騎手の女房…」とかいう本を書きながら、厩舎社会からコメンテイターに転身した女史が義理のお母さんなのだから!…楽天の監督の嫁さんみたいなもの。だから私はちっとも発言に重みを感じない。その点は福永くんのお母さんを数百倍尊敬します!)

人に優しく、温厚で我慢強かったお父さんの息子として騎手の職業に就いたが、残念ながら騎手センスも騎手として成功する環境もなかったのは残念でならない。

しかし、騎手として大成できなかったが、そもそも護くん自身が騎手として成功するためにこの世界に入った訳ではないことはこの早期引退でも容易に分かるはず。

今、騎手として成功していると思われている者たちを見返すくらいの調教師に是非是非がんばって成って欲しい!!

お父さんは、ミスターシービーやシービークロスの主戦ジョッキーとして活躍したが、それでも下積み時代の苦労話の一端を見聞きするたびに、当時まだ若かった私は、調教師絶対主義の中で虐げられた見習い騎手たちにいたく同情したものである。

戦前の軍用馬育成という目的で運営されていた厩舎社会では、調教師の立場は神にも等しい存在。そんな中で行なわれる教育という名の「シゴキ=焼入れ=暴力+精神的イジメ」は、今のヤクザも目をそむけるような江戸時代の丁稚奉公以下の扱いを調教師・厩務員・兄弟子が日常茶飯事に行なっていたという。

時代は進み、今ではそんな横暴は少なくなったが、タテ社会のケジメをつけるために暴力が用いられるのは人間社会がある限り絶対になくならない。いわば、もっとも単純な人間の差別化を図るための「道具」として存在し続けているのだ。

以前、後藤くんが木刀を持って吉田豊くんをシメたのが好例…一般社会もよくあることだが、中学・高校・大学のスポーツ部活動などのように【「ケジメ」…この場合、世代の社会的立場を維持するために下の者をいたぶること】から見れば後藤くんの行為は正当化されてしまうのだ。

…とはいえ、確かに「良くないこと」であるが、後藤くんの場合はウデに溺れ、態度が生意気になっていた小僧をシメただけで、その意味では普通のいたぶりとはちょっと違う。今の「イジメ」は、自分より下手な者・弱い立場の者を阻害するのだから…

成功者を尊敬するのは当然の行為だが、人間にはそれぞれ「適材適所」があり、騎手で成功したからといって調教師になった者を私はすんなり尊敬などしない。まして、親から譲られてその座に就いた者など以ての外である!…これまでの関東ではそんな騎手や調教師が横行しすぎたせいで、今の「ていたらく」を生じてしまったのだとつくづく思っているからだ。

苦労を知る者にこそ、後に花を咲かせる機会が訪れて欲しいと心から願っている。だからこそ、吉永護くんには是非とも頑張ってもらいたい…ようやく今年、鹿戸雄・小島茂調教師といった新しい関東厩舎が現れ、関西に席捲された古い体質から徐々に脱却を図る良い兆しが見えてきたのだから!!

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