騎手評価…三浦皇成
≪”第2の福永祐一”に成る者≫
今年は順調に勝星を積んでいる三浦皇成くん。ただし、ちょっと不思議な傾向が見えているのが気になる点である。その傾向とは、未勝利戦と新馬戦=レース序盤に勝星が集中していることにある。
普通に考えると、何ら問題はないように思えるだろう。若い馬で勝ち上がることは騎手にとっては理想的なことであり、デビューから馬に乗れることは先々クラシック戦線での騎乗機会が増えることになるからだ。
たとえば、先週1月29日(日)の第5レース・芝2000m新馬戦を勝った二ノ宮厩舎ヴォードヴィリアン…持ったまま抜け出した能力からも次走の期待も大きい馬であり、デビュー時期は遅くても将来的に重賞勝ちも狙える馬になるかもしれない。
ただし、私が懸念するのは勝っている馬そのものにある。
レース序盤の未勝利戦や新馬戦において、三浦くんが騎乗して勝った馬のほとんどが上位人気の馬ばかりであり、あきらかに”馬の能力違いで勝ち上がっている”点が気になるのだ。
私は、この傾向に酷似している騎手を一人だけ知っている。福永祐一である。
今さらのことだが、私は福永祐一を”騎手=アスリート”とは思っていない。厳しい言い方に聞こえるかもしれないが、”ただ手綱に掴まって真っ直ぐに走らせるか、大外を回ってしか差し・追い込みできない者を「騎手=アスリート」だと思ってない”からだ。つまり、馬群を捌く技術を持っている者だけが「騎手=アスリート」と呼べる最低限だと思っているのでその最低限を持ってない彼を騎手とは言えないからだ。仮に勝星に恵まれなくても、馬群を捌けるレベルがあれば人気薄を人気以上に走られせることができるようになり、それこそが「騎手」と呼ぶに相応しいレベルだと思っている。
ただ強い馬に乗って力差のある競馬をしても、そんな騎乗はわざわざ競馬学校で習わなくても出来ること。そもそも馬群を捌かないで勝てるということは、あきらかに馬の能力違いで勝っているだけであるのを証明するものでしかない。
そんな”福永祐一レベル”の路線を踏んでいるのが現状の三浦くんであることを懸念するのである。
現在、外国人騎手が年中短期免許で来日するようになっているが、このことが、”一流外人騎手の騎乗ぶりを学ぶことで国内騎手の技術向上を図るもの”であれば良い。だが、”国内騎手が未熟なため大事なレースでしっかり勝ち負けできる騎手を招かねばならないもの”では問題である。競馬学校の存在理念はもとより、騎手として馬に乗るようになっても未熟者ばかりという状況を暗に示すものだからだ。
競馬学校は基礎を学ぶ場所なので、そこで将来的な騎手の巧拙を決めることはできない。授業と実戦は天地の差があり、あくまで実戦から自己の騎乗馬の能力を確認し、その確認からより上位の着順を目指すのが「騎手」と呼べる者の最初の仕事だからだ。
残念ながら、今の三浦皇成くんはまだまだ”馬に恵まれて勝っている福永祐一の関東版コピー”でしかない。私はこの傾向にある三浦くんを”とてももったいないこと”だと思えてならない。三浦くんはまだ未熟な部分が多数あるが、少なくとも福永祐一のような”騎手と呼べないレベル”ではないからだ。
たしかに先行馬の騎乗におけるペース配分とペースの感知力は未熟。この点では”福永祐一と同等”と言えるだろう。だが、こと差し・追い込みにおける馬の伸び脚を活かす騎乗ぶりは”たしかに新人ばなれした素質”を持っているし、事実、差し・追い込み馬での鮮やかな伸びっぷりは、”決め打ちさせると怖い存在に成長する者”と思えたほど。
彼には、人気馬に騎乗した時だけ勝てる騎手になって欲しくない。”第2の福永祐一”と呼ばれないよう気をつけて結果を残して欲しいからだ。ただし、今のままだと”第2の福永祐一に成ること必至”なのが心配でならない!…先週の根岸ステークスの落馬を見て特にそう感じた。
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